フィラリアとは
フィラリアは、蚊が媒介して犬の肺動脈や心臓に寄生し、全身の血液循環や内臓にも深刻な障害を与える恐ろしい虫です。フィラリアは、蚊の吸血によって犬の体内に侵入し、約６～７ヶ月で幼虫から成虫に成長します。フィラリアが成虫となり、犬の肺動脈に寄生すると、深刻な症状を起こすようになります。
フィラリアに感染している犬の体内で、メスのフィラリア成虫がミクロフィラリアを産み、それが感染犬の血液中に流れる。そうした感染犬を蚊が吸血した際に、血液と一緒にミクロフィラアが蚊の体内に入る。
蚊の体内に入ったミクロフィラリアは、第一期幼虫から第三期幼虫（感染幼虫）へと成長する。第三期幼虫は蚊の口吻（吸血針の部分）に移動して、感染の機会を待つ。
蚊が吸血する際に、第三期幼虫（感染幼虫）が犬の体内へ侵入して、皮下組織や筋肉・脂肪などで、約2～3ヶ月かけて発育を続ける。
心臓の右心室から肺動脈に寄生して、約6～7ヶ月で成熟し、ミクロフィラリアを産むようになる。
フィラリアが犬に引き起こす症状と病気
フィラリアは犬の肺動脈や心臓に寄生することで、心臓の働きを低下させ、全身の血液循環や肺にも影響を与え、放っておくと命に関わる恐ろしい病気を引き起こします。また、犬だけでなく、猫や人にも感染することがあります。
犬にみられる症状と病気
慢性犬糸状虫症・・・疲れやすくなり、散歩などの運動を嫌がります。興奮したときや早朝などに乾いた咳をするほか、喀血、呼吸困難、腹水、ネフローゼ症候群などが現れます。
大動脈症候群・・・突発性の虚脱、血色素尿、貧血、呼吸困難などの症状がみられます。
フィラリアは予防を怠ると、成虫が犬の心臓や肺動脈に寄生して、命に関わることがあります。定期的な予防薬の投与を心がけるようにしましょう。
適切な予防薬を蚊の発生シーズンに定期的に投与し、犬に寄生して間もないフィラリア（幼虫が未成熟で心臓に達成するまでの間）の予防的駆除をおこないます。
フィラリアは、蚊がいなくなっても最後の投与を忘れずに行いましょう。
投薬を忘れると、蚊の発生シーズンの最後に刺され、寄生してしまったフィラリアを駆除できません。蚊がいなくなってから1ヶ月後を目安に、最後の投与を行うことが大切です。
フィラリアは一度寄生すると完治が難しい病気です。蚊の発生する時期は地域・気候によって異なりますが、一般的には5月下旬から11月下旬（蚊が見られなくなった1ヶ月後）までが、一般的なフィラリア予防薬の投与期間です。この期間内に月1回の駆除薬の予防的な投与をおこないましょう。
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